今回はモードの話しです。
先日、ア・ミューズのジャズピアノの会員さんとの話の中で
『モーダルってなんですか?』
という質問をされ、
正直
『これ、聴いてみたら?』とCDを勧めてみたのだが、
とりあえず簡単に説明して欲しいということだったので
こんな感じに説明した。
『音階(Scale)はわかりますよね?』
『はい、ハ長調とか』
『……そ、Cメジャーとか』
『所謂、ドレミファソラシドね。』
『はい。』
『それってどっから始ってもCメジャースケールだよね?』
『へ?』
『レミファソラシドレでもソラシドレミファソでもさ。』
『そうですね』
『モードは始る順番が大事なんですよ』
『はあ。。』
『例えばメジャースケールの2番目から始る音列ドリアンて言うんですね。』
『2番目からだとオムレツなのにドリアなんですか?』
『…お腹空いてます?』
『あ、ハイ、ちょっと(笑)』
『ですよね〜(笑)』
という事で以下の事を説明した。
【モード名】 …定義 (相対的な階名)
【イオニアン】…メジャースケールの1番目から始る音列(ドレミファソラシド)
【ドリアン】……メジャースケールの2番目から始る音列(レミファソラシドレ)
【フリジアン】…メジャースケールの3番目から始る音列(ミファソラシドレミ)
【リディアン】…メジャースケールの4番目から始る音列(ファソラシドレミファ)
【ミクソリディアン】……メジャースケールの5番目から始る音列(ソラシドレミファ)
【エオリアン】…メジャースケールの6番目から始る音列(ラシドレミファソラ)
【ロクリアン】…メジャースケールの7番目から始る音列(シドレミファソラシ)
『なんか〜アンとか餡子みたいなのに耳クソとか汚いですね』
『……。まあ、ラテン語かなんかなんじゃないの?(適当)』
『でなんでいちいち名前がついているんですか?』
『まあ、初めに決めた人が名付けちゃったからしゃーないんじゃないの?』
『なんで名前で区別したんですかね?』
『これらはメジャースケールのそれぞれの音を基点に展開されているよね?』
『はい』
『昔はこのそれぞれのモード(音列)を使って賛美歌とかが作曲されてたの』
『へえ〜×5』
『だから教会旋法とも言うんだよ』
『7種類の方法があったってことですか?』
『そ、ドリアンで作ってみたり、ロクリアンで作ってみたり』
『え?ドリアを小倉餡で作るんですか?』
『わざと聴き間違えてますね?』
『すいません。ちょっとややこしかったもんで』
『ややこしくしてるんじゃないですか!(笑)』
『でもこれでモードってなんとなくわかりました!』
『よかったよかった。』
『このモードを使ってアドリブするってことなんですね?』
『そゆこと。』
『でも普通のモードじゃないジャズもスケールっていうかモード使ってますよね?』
『うん、勿論』
『モーダルなアドリブと普通のアドリブってどう違うんですか?』
『ん〜モーダルなっていう場合は曲自体がモードで出来てる場合が多いってコトかな』
『曲がモード?』
『普通は曲はコードが指定してあるでしょ?』
『はい。』
『モードの曲はコードじゃなくてモードが指定してあるの』
『へえ〜×5』
『さっき薦めたアルバムの[So What]なんてコードじゃなくてモードが指定してあるんだよ』
『そーなんですか?』
『そー!』
『ホワット!』
『……』
『確かにコルトレーンは音階練習みたいなフレーズばかり吹いてますね』
『……勇気あるコメントだね。。』
『キャノンボールは所どころコードやビバップのフレーズも吹いてますね』
『そだね。コルトレーンの方が完全にビバップにオサラバしてるね。』
『コルトレーンの方がモード奏法をマスターしてるってことですか?』
『だね。』
『でもずっと同じモードばかりだと同じような感じになっちゃいませんか?』
『そだね。そこが制約は取れたけど難しくなったところだね。』
『私には無理だな。既に諦めモード』
『それしゃれ?』
『私にはムリジアン!』
『……どーすんのこの空気!』
『まあ、Kind of Blueって事で。』